こんにちは、アメリカでドラムを叩いております田中領です。
本日はシンバルには音量の限界があるというお話です。
ロック系のドラマーさんでシンバルが割れてしまうというお悩みがある方はいませんでしょうか?
せっかくのお気に入りのシンバルが消耗品のように消えていってしまう。
実はそれにも理由があるんです。
そんなお悩みの解消ができれば幸いです。
真ん中からヒビが入る場合
中心の穴から割れていくならシンバルスタンドの金属部とシンバルが、
直に当たってしまっている可能性があります。
Steve Gaddなどはわざと好んでこの方式をとったりもするので、
最終的にはそれぞれが好きな方法を取るのが良いと思いますが、
長持ちさせることに重きをおくなら、ここにゴムチューブを挟んで、
金属同士が直接ぶつからないようにするとダメージが激減します。
基本的にはシンバルスタンドを買えばデフォルトでこのゴムチューブや、
樹脂製のパーツがついているはずですが使っているうちに削れて穴が空いたりしてしまうので、
たまにチェックしておくのをお勧めします。
外側の縁から割れる場合
このタイプは代表的な原因が二つ考えられます。
叩き方
叩く時にシンバルの正面から一刀両断する感じでまっすぐスティックを入れるとシンバルへのダメージがすごく大きいです。
シンバルは金属製だから固くて頑丈というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかとは思いますが、
世の中の物質は全て分子から成り立っており、衝撃を受けるうちにその分子構造がずれていって、
最終的に結合状態を保てなくなります。
これが割れた状態です。
アメリカのディスカバリーチャンネルの番組で、
シンバルを叩いた時に実際にどんな状態なのかをハイスピードカメラで記録した映像がこちらです。
4:46辺りからその実験をしています。
いかがでしょう?想像もしなかったくらいグニャグニャじゃないですか?
ちなみにこのドラマーは僕のBerklee時代の先生で、
現Dream TheaterのMike Mangini氏、若いですねー(笑)。
バークリーについてはこちらもどうぞ。

衝撃が大きい叩き方をするということは、
ダメージを早く蓄積してしまうことになり、結果シンバルの破損が早くなります。
解決法としては、袈裟斬りをするように縁に沿う感じで、
斜めに叩くとキレイにスティックからのエネルギーが衝撃のエネルギーよりも音エネルギーに変換されると思います。
このエネルギー変換の考え方が結構重要で、音を奏でる身としては
位置エネルギーに初速をつけて振ったスティックのエネルギーが、
シンバルに当たって衝撃のエネルギーと音のエネルギーに変換されます。
そして残ったエネルギーが振り抜いた腕をさらに下へと動かします。
この際、単純な話ですが、
出来るだけ衝撃のエネルギーではなく音のエネルギーに変換された方が効率よく演奏できるのです。
逆にいうとし衝撃へのエネルギー変換割合が強いと、
シンバルにダメージが早く溜まるだけでなく、
音のエネルギーが小さくなるので、ダイナミクスの幅が減ってしまい、
演奏そのものの表現力が抑えられてしまいます。
(ただし、表現力には演奏する様や気迫なども含まれるのであくまで一要素として捉えるといいかもです。)
シンバルの音量の限界
シンバルにはそもそもの音量の限界というのがあります。
それを超えて音量を出そうとすると音にコンプがかかって音色が変わる上、
限界値を超えた分より上のエネルギーは全てダメージになってしまいます。
なのでロック系で大音量の演奏をする場合は厚くてでかいシンバルを選んだ方が音量も出て長持ちします。
逆にいうと繊細な演奏にはあまり向かない場合が多いので、その場合は薄めのシンバルも視野に入れるといいでしょう。
試しに薄くて小さいシンバルをガンガン叩きまくると、あっという間に限界がきて割れます♪
また最大音量が小さいシンバルを轟音のアンサンブルの中で鳴らすと、
クラッシュのはずがスプラッシュのように聞こえたりもします。
周りの音量に埋もれてしまって本来の音色が出てこなくなっちゃうんですね。
こうなるとせっかくのシンバルもその魅力を発揮できなくなったりします。
なので、適材適所、自分のやる音楽の環境によって、
シンバルも変えていくのが得策です。
奥の手としては音量が足りない場合に、演奏は限界値までのパワーにとどめておいて、
PA側であげてもらう手もありますが多分演奏側で解決した方が良い結果になるかとは思います。
おまけ
今回話した内容と似たものがZildjianのYouTubeにまとめられています。
『シンバルを自分の方へかたむける』などというアイデアも出てきて、
英語がわからなくても見るだけでなんとなくわかると思うので、
で非チェックされてみてはいかがでしょうか?
ちなみに英語学習についてこんな記事も書いてます。

というわけで、僕のブログ、YouTube、twitterでは、
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